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生活のデザインに生きた沼田一三 日根野作三の思想を受け継ぐデザイナー

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本展覧会では兵庫県姫路市出身の陶磁器デザイナー沼田一三(ぬまた いちぞう 1926~2004)を紹介します。

沼田は兵庫県立姫路工業学校の図案科を卒業し、京都にあった国立陶磁器試験所に入ります。そこでのちに陶磁器デザイナーの先駆者となった日根野作三と出会います。また、昭和24(1949)年には前衛陶芸集団「四耕会」に所属しています。一度は造形の世界に足を踏み入れますが、師である日根野の影響により沼田は陶磁器デザイナーの道を歩むことになります。

戦後、日根野が岐阜県東美濃地方に訪れ、美濃焼の産業と関わった縁により沼田は加藤仁らと岐阜県に移住します。沼田は日根野とともに、熱意を持って陶磁器デザインに取り組みました。沼田のスケッチブックには、多くのデザイン画が残されており、そこから当時の陶磁器デザイナーの仕事の一端を垣間見ることができます。こうして沼田は美濃の窯元へのデザイン提供を主軸にしながらも、妻美惠子とともに陶器のアクセサリーにも関わりを持ち、その創作世界を広げていきます。

本展では、美濃のクラフトに尽力した日根野作三をはじめ、澤田痴陶人、伊藤慶二などさまざまな作り手と関わりながら、陶磁器デザイナーとして活躍した沼田一三の生涯をその作品資料から辿ります。

場所
多治見市美濃焼ミュージアム ギャラリーS1
期間
令和7年 8月2日(土)~令和7年 12月21日(日)