加盟館園からお知らせ

明治・西浦焼の世界

メイン画像

明治時代、西浦焼は一つのブランドとして多くは欧米向けの輸出品として販売されました。

本展覧会は国内では作品がほとんど残されておらず、幻のやきものとなった西浦焼を多治見市内で継続的に観覧できるよう企画しました。

明治政府は殖産興業を推進し、万国博覧会に美術品を出品することを奨励していました。ここで日本の技術者は、アメリカのルックウッド社の製品など当時世界をリードしていた、それまでの日本にはなかった美しいやきものを目の当たりにします。

西浦圓治(にしうらえんじ)もその中の一人です。

「西浦焼」とは土岐郡多治見町(現多治見市)を中心に、明治初期より三代から五代西浦圓治のもとで製作されたやきもののことをいいます。なかでも五代西浦圓治が明治30年代から44年にかけて製作した、釉下彩と呼ばれる作品が広く知られています。釉下彩(ゆうかさい)とは、透明釉の下に多彩な色によって絵や文様を施す技法です。釉薬の下で発色するため上絵具などのはっきりとした色合いに比べて柔らかな雰囲気が特徴です。さらに図柄・形状についても、明治後期にヨーロッパで流行したアール・ヌーヴォー様式を採り入れているものが多く、世界的に見ても時代の先端をいく陶磁器でした。

本展では明治時代に作られた西浦焼・釉下彩の作品を中心に、同時代の国内外の作品をあわせて展覧いたします。

場所
多治見市美濃焼ミュージアム ギャラリーS1
期間
令和5年 3月 11日(土)~令和5年 12月 24日(日)
9時~17時(入館は16時30分まで) 
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日休み)