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2022年度 早稲田大学・美濃加茂市 文化交流事業 共催展 「墨痕に咲(わら)う―美濃の禅画の世界 白隠と仙厓と―」

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人の咲うを愛す―。美濃国武儀郡( 現 岐阜県関市武芸川町) に出自を持つ仙厓義梵(1750-1837) は自らの描く絵をこう称し、自由で柔らかな筆致で、見るものの頬が思わず緩んでしまうような作品を多く残しました。禅において「笑い」は、無の境地に達するため手段として非常に大切にされてきたものです。

生活の隅々まで神仏が息づいていた時代。一部の禅僧たちは仏画や戯画まで多岐にわたる画題のなかで、世と自分を見つめ直し教えを広めようとする意志を絵筆に託しました。描かれたものからは、それぞれの書画を通して心をつなぐ人々の思いが滲むようです。

早稲田大学會津八一記念博物館には、室町時代から江戸時代にかけての数多くの「禅画」が所蔵されています。一方、美濃には仙厓をはじめとして、山之上村でおいて修行を重ねた白隠慧鶴(1685-1768)、伊深村にある正眼寺を再興した雪潭紹璞(1801-1873) など書画をよくした禅僧たちと深い縁をもち、岐阜県美濃加茂市やその周辺にはその墨画墨蹟が数多く伝わり、各地に足跡がのこります。

江戸時代、社会が豊かになる一方で、人々は度重なる飢饉や災害など不安に脅かされていました。それらの禅画には、混迷を極める現代だからこそ、時を超えて私たちに語りかけてくるものがあります。この展覧会では、これらの禅画を展示し、彼らの生涯と研鑽の過程で形作られた思想を紐解きながら、独創的な絵が生まれたその意図に迫ります。あるいは豪放、あるいは洒脱な墨の痕と教えの薫る賛文を糸口に、現在も変わらない祈りの奥深さや墨と人との交わりを感じる機会となれば幸いです。

場所
美濃加茂市民ミュージアム 企画展示室
期間
2023(令和5)年1月8日(日)~2月19日(日)